不祝儀袋(香典袋)のマナー

不祝儀袋(香典袋)のマナーについて解説しています。
お香典袋へのお金の入れ方/お札について/渡し方/中包みへのお金の入れ方/中包みを不祝儀袋へ入れる方法/表書きの書き方・薄墨について わかりやすくお伝えします。

不祝儀袋について


1枚のものは仏事用です。 不幸が重ならないように、と言う意味です。

逆にお祝いは、重なると良いので2枚以上の紙を重ねてあるお祝い袋をお選び下さい。お祝いは上包みの紙が1枚だけの祝儀袋も不適当です。

お香典袋へのお金の入れ方について


切手盆 お香典袋中袋を上包みの裏に挟んでいるのをよく見かけますが、正式には、上包みの中に入れます。

上包みの中に入れるのは結構、大変です。水引を抜こうとする方が多いようですが、これをすると、紙が折り重なっているため、とてもはずしにくく、紙を傷めてしまったり、水引の向きがわからなくなってしまったりします。
まず、紙を抜きましょう。

お金の向き

お札について


新札は「前から準備していた」と思われるので、使い古しのお札を入れる、 と言われますが、お葬式は突然ですので、新札を用意できない場合もあり、 使い古しのお札しか入れられない場合もあるため、このように言われるようになったのです。

人様に差し上げるものですから、あまりに使い古したお札では、やはり頂いた方はあまり良い感じはしません。できれば 新札にしましょう。できない場合はできるだけきれいなお札を入れましょう。

本来、水引を結ぶことは、「水を引いてきれいにしました、中身は清浄なものです 。」と言う意味を 込めるために水引を結ぶのですから、使い古したお札では、何のための水引なのかわからなくなります。

気になるようでしたら、新札を半分に折って 一度折り目をつけましょう。

渡し方について


直接手でお香典袋を持って、渡すことは失礼に当たります。

単に手が汚れていると言う事だけでなく、日本では古来より、人はいろいろな意味において不浄なものとされています。そのため、人様に差し上げる物を直接手で持つと、その不浄なものを移すことになるのです。

ですから、正式にはお香典袋を切手盆にのせ、風呂敷に包んで持参します。せめて、風呂敷には包んで持参下さい。
仏事用風呂敷 グレー
ご自宅でお坊様に御布施などを渡す場合は、切手盆にのせてお渡し下さい。

中包み(中袋)へのお金の入れ方


①中包みを広げます中包み
②中央にお金を入れます。

「お葬式の時はお札を裏返して入れる。」 と言われることもあるようですが、そのようにする必要はありません。
死の世界は、 この世とは逆さになっていると考えられていて、死の世界へ 送り出すにあたり、死の世界のきまりに従って、死者に着せる着物を左前にするなど逆さまにしますが、お香典は死者にお供えするものですから、逆さにしなくても良いのです。
お祝いと同様にお入れ下さい。
お金の向き
③元通りに折ります

裏の「〆」と書いてあるところは、糊などで貼って下さい。
お金の向きお金の向き
出来上がり!中包み

中包みを不祝儀袋へうまく収める方法


水引を抜こうとすると、紙が折り重なっているため、とてもはずしにくく、紙を傷めてしまったり、水引の向きがわからなくなってしまったりします。
そこで、水引を外すことなく、祝儀袋の中へ中包みを入れる方法がありますので、ぜひ実践してみて下さい。

①裏に返して、水引から紙を抜いていきます。お金の向き
②下から、中包みを入れたところです。
中包みを上まできっちりと入れましょう。

中包みは金額を書いてある方が表ですから、上になるように入れます。
お金の向き
③再び裏に返して、上の紙を差し入れます。
(仏事の場合は、 裏側の折り方だけがお祝いと異なります)

「よくないことは、上から下へ水に流しましょう。 」と覚えておくといいですよ。
お金の向き

お香典袋への書き方・薄墨について


金封の書き方(仏事)

■【上】には、「御香典」「御布施」などを中央に書き入れます

不祝儀袋の【上】に書く表書きの言葉についてはこちらをご参照下さいませ。

■【下】には、お名前(香典袋に入れるお金を出す人)を書きます

お名前は個人の場合はフルネームでお書き下さい。
個人としてでなくお家としてされる場合は姓だけでも良いでしょう。

会社としての場合は会社名だけで良いでしょう。
社長の個人的な場合は会社名、肩書きと社長のお名前にされると良いでしょう。

どのような立場からお渡しするのかと言うことをお考えの上お書き下さい。

■【中包み】には、金額を書き入れます

中袋(中包み)には金額を漢数字にて書き入れます。(例:金参萬圓也)
書く欄のない中袋の場合は、裏の左端に書いて下さい。

中袋(中包み)だけの簡略な袋や、水引の掛かっていない印刷の香典袋などは、御香典としてきちんと渡す場合には、不向きです。

お金を裸で渡すことを嫌いますので、御香典ではない御車料、御膳料などのような場合にお使い下さい。

中包みの金額には 「也」 を付けます

「也」は、 ”そのあとの端数はありません” という意味ですので、お祝いでも 仏事でも 「也」を付けるのが正式です。ただ、5千円程度の金額で、 簡単な香典袋に入れる場合は 五千円とだけ書いてもかまいません。

中包みの裏には、「〆」 と書きます

「封」をくずした字は 「寿」と思われる方が多いので、当店では、仏事の場合は「〆」にしています。

中包みに 住所は要りません

市販されているお香典袋には、 中包みに住所を書く欄があるものもありますが、誰にもらったものかわかる場合は、住所まで書く必要はありません。
ただ、お葬式において、故人の知り合いで、ご家族とは面識がない場合は、ご家族の方にわかるように、ご住所などもお書き下さい。

■黒い文字で大丈夫です

「涙で墨が薄まった」とか 「急いで駆けつけたので墨をする間もなかった」などから、 薄墨で書くように言われますが、これは近年になってから意味付けをして言われ始めたことであり、元来黒い文字で書くのが正式な形です。

当店では普通に黒い字で書いております。

写真のように、薄く墨をすって書くと、水分が多いために滲み(にじみ)が出たり、濃淡のムラができ、うまく書くことができません。

(当店ではインクなどを使わず、墨をすって書いていますので、薄くすればするほど滲みがひどくなります)

※当店では、薄墨での筆耕は承っておりませんので、何卒ご了承下さいませ。

筆耕 薄墨 筆耕 薄墨

■【香典】 と 【香奠】 どちらでもかまいません

昔は「香奠」と書いていましたが、 「奠」の字が常用漢字でないため 、「香典」と書く事が多くなって います。漢字の意味からすると、「香奠」の方が適切です。

水引館では香典袋に毛筆で お名前など書き入れ、 遅くとも翌営業日には発送しています。どうぞ、ご利用下さいませ。