お多芽(おため)とは? お祝い・結納のお返し

お多芽(おため)とは?/お多芽の由来/どんなお多芽を選べば良いの?/結納のお多芽は?
お多芽にまつわる疑問を解決します。

お多芽(おため)とは?


お多芽、おうつりとも言われています。
結婚祝いの時に使うお多芽は、夫婦紙(めおとがみ)とも言われます。お祝を頂いたら、お多芽をお返しします。
半紙 おため
正式な結婚祝いは京都ではお祝セットを広蓋(ひろぶた)にのせ、富久紗(ふくさ)を掛け、風呂敷に2重に包んで結婚式の前に自宅へ持参します。この時、このお多芽を広蓋にのせてお返しします。
祝儀袋を風呂敷に包んだだけの場合は、この風呂敷にお多芽を包んでお返しします。
祝儀袋だけで頂いた場合は、ご自分の切手盆にのせてお返しします。

最近では、自宅へお祝いを持参せず、当日、結婚式場へ祝儀袋だけを持参する方が多くなり、この場合はお多芽は要らないと言う人もいますが、正式にはお多芽をお返しします。

京都ではポチ袋にお祝いの金額の1割を入れます。
お祝いがお金ではなくて、品物の場合は適当な金額を入れ、お祝返しの際に調節します。あるいは上等のお多芽紙をお返ししても良いでしょう。地域によってはお金を入れないところもあります。

京都では、お祝い返しも正式には目録もつけて広蓋にのせ、持参します。この時にも、お多芽をお返しします。

お多芽の中には半紙や懐紙が入っています。結婚祝いの時に使うおためは半紙、懐紙を抱き合わせになるように折ります。その他のお祝の時には抱き合わせにしません。

お多芽(おため)の由来


昔は、お重箱にお菓子などを入れ、これを頂いた時に、「このお重箱をきれいに洗ってお返しします。」という意味を込めて、このお重箱に真っ白の紙である半紙、懐紙などを入れてお返ししました。

このようなところから、お祝(贈り物)を頂くと、半紙、懐紙をお多芽紙としてお返しするようになりました。

また、昔は、丁稚さんがこのお祝の品物を持って、ご主人様の御供をしたので、丁稚さんにお駄賃を渡しました。
ここから、半紙などのお多芽紙と共に、1割のお金をお返しするようになったのです。そのため、この1割のお金には交通費的な意味合いもあります。

京都では、交通費の意味から、誰からお祝(贈り物)を頂いても、1割のお金を入れます。大阪では、丁稚さんのお駄賃と言うことから、目上の方にお金を入れるのは失礼にあたるとして入れません。

半紙について
半紙という語源は小形の杉原紙を半分に切ったところから、半紙といわれるようになったそうです。
この杉原紙とは、鎌倉時代以降、播磨国杉原谷村(兵庫県加美町)で漉かれた紙なので、杉原紙、すぎはら、などと呼ばれています。奉書紙風でやや薄く、武家の公用に用いられ、また贈答品ともされていました。
このようなところから、お多芽紙に使われるようになったようです。

どんなお多芽を選べば良いの?


半紙のおうつりが最も伝統的なものです。
懐紙のおうつりは使い道が半紙よりも多く、小さいので持ち帰りやすいのですが、しかし、お札を半分に折るので、嫌う方もあります。

お多芽 半紙お多芽 懐紙

また、最近では中身が後で使いやすい祝儀袋やポチ袋、お茶など様々なものが出回っています。
本来の意味からすれば、真っ白な紙の半紙、懐紙のおためが良いでしょう。

結納のお多芽は?


新婦側では、半紙あるいは懐紙に添えて結納金の1割のお金を、受書と共に御仲人様にお渡しします。
新郎側では、この受書と共に一旦受け取った後、結納金の1割のお金を、当日の御仲人様の御礼としてお渡しします。

御仲人様がいない場合は?
最近では、御仲人様なしで、結納を取り交わされる方が多くなりました。お多芽の結納金の1割のお金は、御仲人様の御礼ですので、渡されなくてもかまいません。
また、前述の通り、この1割のお金は交通費的な意味合いもあります。そのため、新郎側への交通費と考え、新郎側へ渡されても良いでしょう。
ご両家でご相談頂き、ご納得の上どちらを選択されてもよいでしょう。

ご注意

このお多芽に入れる結納金の1割のお金と、新郎側へ差し上げる結納返し(袴料)は、まったく別のものです。
これらを混同されていらっしゃる方が多いので、ご注意ください。
お多芽は、あくまで結納に対するお返しです。「結納返し」とは言いますが、これは新郎様への結納です。
お多芽は省略してもかまいませんが、「結納返し(袴料)」は簡単なものであっても贈る方が良いでしょう。